はじめに:税理士へのデータ送付、その方法で本当に安全ですか?
個人事業主、フリーランス、そして中小企業の経理担当者の皆様、税理士への会計データ送付は、毎年の確定申告や月次決算において避けて通れない業務です。しかし、「全期間のデータを毎回送っている」「パスワードなしでメール添付している」「USBメモリで手渡ししている」といった方法では、効率性の低下や深刻なセキュリティリスクを抱えている可能性があります。
本記事では、税理士へのデータ送付における「特定の期間のデータだけを抽出」し、「パスワード付きZipファイルでセキュアに渡す」という具体的な機能要件に焦点を当てます。なぜこれらの機能が重要なのかを論理的に解説し、現在主流となっている主要な会計ソフトがこれらの機能をどの程度備えているかを、機能スペックベースで徹底比較・解説します。
データ送付の安全性と効率性を両立させたいとお考えの方は、ぜひ最後までお読みください。
なぜ税理士へのデータ送付に『期間指定&パスワードZip』が重要か
税理士への会計データ送付において、単にデータを送るだけでなく「期間指定」と「パスワード付きZip」が求められるのには、明確な理由があります。
【効率性】必要な情報だけを共有し、双方の業務を最適化
税理士は、確定申告や月次顧問のために特定の期間のデータのみを必要とすることがほとんどです。全期間の膨大なデータを毎回送付してしまうと、税理士側はその中から必要な期間のデータを抽出・確認する手間が発生し、双方の作業工数が増大します。
- 事業主側: 必要な期間だけを抽出すれば、エクスポート時間の短縮やファイルサイズの軽量化につながります。
- 税理士側: 不要なデータに惑わされることなく、必要な情報に迅速にアクセスできるため、確認作業の効率が向上します。
このように、期間指定によるデータ抽出は、データ送付に関わる双方の業務効率を飛躍的に向上させるための第一歩と言えるでしょう。
【セキュリティ】情報漏洩リスクを最小限に抑える基本対策
会計データには、売上、経費、銀行口座情報といった企業の機密情報はもちろん、取引先の個人情報も含まれています。これらの情報が外部に漏洩した場合、企業の信頼失墜や法的な責任問題に発展する可能性があります。
- メール誤送信のリスク: 宛先を間違えて機密データを含むファイルを送ってしまうリスクは常に存在します。
- USBメモリ紛失のリスク: 持ち運びの際に紛失すれば、誰でもデータにアクセスできてしまいます。
- 不正アクセス: クラウドストレージのセキュリティ設定ミスや、送付先PCの脆弱性を突かれた場合も情報漏洩のリスクがあります。
パスワード付きZipファイルは、これらのリスクに対する基本的な防御策となります。万が一、意図しない第三者の手に渡っても、パスワードがなければ内容を閲覧されることはありません。パスワードは別途電話や別のチャネルで伝えることで、セキュリティレベルを向上させることが可能です。
【コンプライアンス】事業者としての責任を果たす
2022年4月に改正個人情報保護法が全面施行され、個人情報の取り扱いに対する企業の責任は一層重くなっています。会計データには、従業員や取引先の氏名、住所などの個人情報が含まれるため、これを適切に管理・保護することは事業者としての法的義務です。
セキュアな方法でデータを共有することは、情報漏洩のリスクを低減するだけでなく、個人情報保護法をはじめとする各種法令遵守(コンプライアンス)の観点からも不可欠です。適切なセキュリティ対策を講じることは、社会的な信頼を維持するためにも重要な経営判断と言えるでしょう。
【機能比較】税理士へのデータ送付が安全・簡単な会計ソフト5選
税理士へのデータ送付を効率的かつ安全に行うために、主要な会計ソフトがどのような機能を備えているか比較してみましょう。ここでは、「期間指定エクスポート」「パスワード付きZip化」「税理士招待機能」といった項目を軸に、代表的な会計ソフトの機能性を客観的に評価します。

| 会計ソフト名 | 期間指定エクスポート | パスワード付きZip化 | 税理士招待機能 | 料金(目安) | タイプ | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| マネーフォワード クラウド会計 | ◯ | △(手動) | ◯ | 2,980円/月 | クラウド型 | 連携機能が豊富。税理士招待機能が充実。 |
| freee会計 | ◯ | △(手動) | ◯ | 1,980円/月 | クラウド型 | 直感的な操作性。記帳代行機能も充実。 |
| 弥生会計 オンライン | ◯ | △(手動) | ◯ | 1,800円/月 | クラウド型 | 長年の実績。デスクトップ版との連携も可能。 |
| 弥生会計(デスクトップ) | ◯ | ✕ | ✕ | 39,600円/年 | インストール型 | 安定した機能。データ送付は手動。 |
| 会計王 | ◯ | ✕ | ✕ | 44,000円/年 | インストール型 | 高機能。データ送付は手動。 |
※料金は個人事業主向けプランの目安であり、利用する機能や契約期間によって変動します。詳細は各公式サイトをご確認ください。
※「パスワード付きZip化(手動)」は、会計ソフトからエクスポートしたファイルを、別途OSの機能や圧縮ソフトでZip化しパスワードを設定する手順を指します。
クラウド型とインストール型のメリット・デメリット
上記の比較表からわかるように、クラウド型会計ソフトとインストール型会計ソフトでは、データ共有の機能に大きな違いがあります。
クラウド型会計ソフト(例:マネーフォワード クラウド会計、freee会計、弥生会計 オンライン)
- メリット:
- 税理士招待機能: 税理士が直接データにアクセスできるため、データ送付の手間が不要。リアルタイムでの情報共有が可能。
- 常に最新: 法改正や機能追加が自動で反映される。
- 場所を選ばない: インターネット環境があればどこからでもアクセス可能。
- デメリット:
- インターネット必須: オフラインでは利用できない。
- 月額利用料: ランニングコストが発生する。
インストール型会計ソフト(例:弥生会計、会計王)
- メリット:
- 安定性: インターネット環境に左右されず利用できる。
- 一度購入すれば永続利用可能: 初期費用はかかるが、月額費用は不要な場合が多い(サポート契約は別途)。
- デメリット:
- データ共有の手間: データをエクスポートし、別途送付する必要がある。税理士招待機能は基本的にない。
- アップデートの手間: 法改正対応などでバージョンアップが必要な場合がある。
- 複数人での利用が難しい: 複数人で同時に作業する場合、データ共有が複雑になる。
ご自身の事業規模、税理士との連携頻度、セキュリティポリシーを考慮し、最適なタイプの会計ソフトを選択することが重要です。
図解:主要会計ソフトでのデータ抽出・パスワード設定手順
ここでは、代表的なクラウド会計ソフトである「マネーフォワード クラウド会計」と「freee会計」を例に、期間を指定してデータを抽出し、パスワード付きZipファイルを作成する一般的な手順を解説します。実際の操作画面は各ソフトのバージョンによって異なる場合がありますが、基本的な流れは共通しています。
マネーフォワード クラウド会計でのデータ抽出手順(例)
- ログイン後、メニューから「仕訳帳」または「総勘定元帳」を選択します。
- 表示された画面で、上部にある「期間」指定のプルダウンメニューをクリックします。
- 「会計期間」「月次」「カスタム」などの選択肢から「カスタム」を選択し、開始日と終了日を設定します。
- 期間を指定したら、「表示」ボタンをクリックしてデータが絞り込まれたことを確認します。
- 画面右上の「エクスポート」ボタンをクリックし、出力形式(例:CSV形式)を選択してダウンロードします。
- ダウンロードされたファイルは、通常、PCの「ダウンロード」フォルダに保存されます。
freee会計でのデータ抽出手順(例)
- ログイン後、メニューから「レポート」→「仕訳帳」または「総勘定元帳」を選択します。
- レポート画面で、上部にある「期間」の入力欄をクリックし、必要な開始日と終了日を設定します。
- 期間を設定したら、「更新」ボタンをクリックして表示されるデータを確認します。
- 画面上部または下部にある「CSVエクスポート」ボタンをクリックしてダウンロードします。
- ダウンロードされたファイルは、通常、PCの「ダウンロード」フォルダに保存されます。
エクスポートしたファイルをパスワード付きZip化する手順(Windows/Mac共通)
会計ソフト自体にパスワード付きZip化機能がない場合でも、OSの標準機能やフリーソフトで簡単にパスワード付きZipファイルを作成できます。
- エクスポートしたファイル(例:
journal_data.csv)を右クリックします。 - Windowsの場合:「送る」→「圧縮 (zip形式) フォルダー」を選択します。
- 次に、作成されたZipファイルを右クリックし、「プロパティ」→「詳細設定」からパスワードを設定するオプションを探すか、別途フリーソフト(例:7-Zip)を使用します。
Macの場合:「[ファイル名]を圧縮」を選択します。 - Macの標準機能ではパスワード付きZipは作成できません。ターミナルコマンドを使用するか、別途フリーソフト(例:Keka)を利用してパスワードを設定します。
- 次に、作成されたZipファイルを右クリックし、「プロパティ」→「詳細設定」からパスワードを設定するオプションを探すか、別途フリーソフト(例:7-Zip)を使用します。
- パスワード付きZipを作成できるツールを使用する場合、作成時にパスワードを設定する画面が表示されますので、任意のパスワードを入力します。
- 作成したパスワード付きZipファイルを税理士にメールなどで送付し、設定したパスワードは別の方法(電話、チャットツールなど)で伝えます。
この手順を踏むことで、万が一ファイルが誤って第三者に渡っても、中の情報がすぐに漏洩するリスクを大幅に低減できます。
【上位互換】データ送付不要!『税理士招待機能』という最適解
これまで「期間指定のエクスポート」と「パスワード付きZip化」について解説してきましたが、これらの手間自体をなくし、より高度なセキュリティと効率性を実現する方法があります。それが、多くのクラウド会計ソフトが提供している「税理士招待機能」です。
この機能は、事業主が自身の会計データに、税理士を直接招待し、閲覧・編集権限を付与できるというものです。これにより、データ送付の手間が一切不要になります。
税理士招待機能のメリット
- リアルタイム性: 税理士は常に最新の会計データにアクセスできるため、過去のデータ送付や更新待ちのタイムラグがなくなります。これにより、月次決算の早期化や、迅速な経営アドバイスが可能になります。
- セキュリティ向上: データをメール添付したり、USBメモリでやり取りする行為そのものがなくなるため、誤送信や紛失による情報漏洩のリスクが根本的に排除されます。アクセス権限はクラウドサービス側で厳重に管理され、税理士のログイン情報も強固なセキュリティで保護されます。
- コミュニケーションコスト削減: 「データが届いたか」「どの期間のデータが必要か」といった確認のやり取りが不要になります。税理士が必要な時に必要なデータにアクセスできるため、双方のコミュニケーションコストが大幅に削減されます。
- 作業効率の最大化: 税理士は直接会計ソフト上で仕訳の確認や修正、決算処理などを行えるため、記帳代行や監査業務がスムーズに進みます。事業主側も、税理士からの質問に対して、同じ画面を見ながら説明できるため、認識の齟齬が生まれにくくなります。
税理士招待機能は、単なるデータ送付の代替手段ではなく、税理士との連携を最適化し、事業全体の効率とセキュリティレベルを向上させる「上位互換」のソリューションと言えるでしょう。長期的な視点で見ると、この機能を持つクラウド会計ソフトを選ぶことが、最も合理的で効率的な選択肢となります。
まとめ:自社のセキュリティレベルに合ったデータ共有方法を選ぼう
本記事では、税理士への会計データ送付において、「特定の期間のデータ抽出」と「パスワード付きZipファイルでの送付」がいかに重要であるかを、効率性、セキュリティ、コンプライアンスの観点から解説しました。
解決策として、以下の2つのアプローチを提示しました。
- 特定の機能を持つ会計ソフトを選ぶ:
- 「期間指定エクスポート」機能で必要なデータのみを抽出し、別途OS機能やツールで「パスワード付きZip化」して送付する方法。
- これにより、データ送付のセキュリティを向上させつつ、税理士側の確認工数も削減できます。
- 『税理士招待機能』を活用する:
- クラウド会計ソフトが提供するこの機能は、データ送付の手間そのものをなくし、リアルタイムでの情報共有、セキュリティの強化、コミュニケーションコストの削減といった、より高度なメリットを享受できます。
ご自身の事業規模、税理士との連携頻度、そして求めるセキュリティポリシーに合わせて、最適な会計ソフトとデータ共有方法を選択することが重要です。
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