海外での給与、不動産、投資など、多様な形で海外源泉所得を得ている皆さま。ふるさと納税を検討する際、「自分の控除上限額は一体いくらになるのだろう?」と疑問に感じていませんか?
国内所得のみの場合と異なり、海外源泉所得がある場合には、その計算は一筋縄ではいきません。しかし、正確な知識と計算方法を理解すれば、制度を最大限に活用し、税負担の軽減と希望する返礼品の獲得を両立できます。
海外源泉所得はふるさと納税の上限額に影響する?仕組みを解説
結論から述べると、海外源泉所得も日本の課税対象となるため、ふるさと納税の控除上限額は増加する要因となります。 しかし、海外で納税した税額を日本の税金から差し引く「外国税額控除」の適用が、結果として上限額を下げる要因となる場合があるため注意が必要です。
本記事では、海外源泉所得がある場合のふるさと納税控除上限額の正確な計算方法と、損をしないための重要な注意点を網羅的に解説します。この記事を最後までお読みいただくことで、ご自身の正しい上限額を把握し、ふるさと納税制度を最大限に活用できるようになるでしょう。
前提知識:ふるさと納税の控除上限額が決まる基本構造
ふるさと納税の控除上限額を理解する上で、まずその基本的な計算構造を把握することが不可欠です。ふるさと納税による税金控除額は、自己負担額2,000円を除いた全額が、原則として所得税からの還付と住民税からの控除という形で実現します。
この控除上限額は、個人の「住民税所得割額」の約2割が目安となります。住民税所得割額は、前年1月1日から12月31日までの1年間の「総所得金額等」を基に計算されます。
ふるさと納税の控除上限額は、以下の計算の流れを経て決定されます。
- 総所得金額等: 給与所得、事業所得、不動産所得、利子所得、配当所得、雑所得など、全ての所得を合算した金額です。海外源泉所得も、日本の所得税法上の居住者であれば、この「総所得金額等」に含めて計算されます。
- 課税所得金額: 総所得金額等から、基礎控除、社会保険料控除、生命保険料控除、扶養控除などの各種所得控除を差し引いた金額です。
- 住民税所得割額: 課税所得金額に、道府県民税率(4%)と市町村民税率(6%)を適用し、調整控除などを加味して算出される金額です。
- ふるさと納税控除上限額: この住民税所得割額を基に、およそ2割の金額が上限となります。
この基本原則から、海外源泉所得も日本の「総所得金額等」に含まれるため、所得が増えれば上限額も増えるという関係にあることが分かります。「所得が多いほど上限額も増える」という点を、まずはしっかりと理解しましょう。
【最重要】外国税額控除が控除上限額に与える影響のロジック
海外源泉所得がある場合、ふるさと納税の控除上限額に最も複雑かつ重要な影響を与えるのが「外国税額控除」です。これは、国際的な二重課税を防ぐため、海外で納税した所得税等を日本の税金から控除できる制度です。
外国税額控除は、以下の順序で日本の税金から適用(控除)されます。
- 所得税からの控除: まず、海外源泉所得に対応する日本の所得税額を限度として、外国で支払った税額が所得税から控除されます。
- 住民税からの控除: 所得税から控除しきれなかった外国税額がある場合、次に海外源泉所得に対応する日本の住民税額を限度として、住民税から控除されます。
ここで最も重要なポイントは、外国税額控除が住民税からも適用される場合がある、という点です。
ふるさと納税の控除上限額は、前述の通り「住民税所得割額の約2割」を基準に計算されます。住民税から外国税額控除が適用されると、ふるさと納税の上限額の計算基礎となる「住民税所得割額」そのものが減少します。
その結果、外国税額控除を適用した分だけ、ふるさと納税の上限額が引き下がる可能性があるのです。この仕組みを理解せずに、「海外所得が増えた分だけ上限額も単純に増える」と誤解してしまうと、結果として上限額を超えた寄付をしてしまい、自己負担額が2,000円を超えてしまうリスクがあるため、細心の注意が必要です。
3ステップで実践!海外源泉所得がある場合の控除上限額 計算方法
ここでは、具体的な3つのステップで海外源泉所得がある場合のふるさと納税控除上限額の計算方法を解説します。
ステップ1:所得の確定(国内所得と海外源泉所得の合算)
まず、その年の1月1日から12月31日までのすべての所得を確定させます。
- 国内所得:給与所得、不動産所得、事業所得など、国内で発生した所得。
- 海外源泉所得:海外で得た給与、不動産賃料、配当金、利子など、源泉が海外にある所得。
これらの所得を合算して「総所得金額等」を算出します。
海外源泉所得については、円貨に換算する必要があります。原則として、所得を得た日(取引発生日)の為替レート(TTM:電信送金仲値)を使用します。ただし、継続的な給与所得などの場合、毎月の平均レートや年間の平均レートを使用することも認められるケースがあるため、詳細については税理士や税務署にご確認ください。
ステップ2:住民税の計算(控除前の住民税所得割額の算出)
ステップ1で算出した「総所得金額等」から、各種所得控除(基礎控除、社会保険料控除、生命保険料控除、医療費控除など)を差し引き、「課税総所得金額」を求めます。
この「課税総所得金額」に住民税率(都道府県民税4%、市町村民税6%)を適用し、まずは控除前の「住民税所得割額」を計算します。
ステップ3:上限額の算出(外国税額控除を考慮)
いよいよ、外国税額控除額を考慮した上で、ふるさと納税の控除上限額を計算します。
外国税額控除の具体的な計算は複雑であり、海外の税額や日本の所得税額・住民税額の比率によって適用される控除額が変動します。大まかな計算式は以下の通りです。
ふるさと納税控除上限額 = (住民税所得割額 - 住民税からの外国税額控除額) × 約0.2 + 2,000円
ここで重要なのは、「住民税所得割額」から「住民税からの外国税額控除額」を差し引いた後の金額を基に計算することです。
計算ケーススタディ:年収1,000万円(国内800万、海外200万)、海外での納税額30万円の場合
あくまで簡略化した試算例であり、実際は各種控除や調整控除、復興特別所得税などにより変動します。正確な金額は税理士にご確認ください。
【前提条件】
* 年収合計:1,000万円(国内給与800万円、海外給与200万円)
* 海外での所得税納税額:30万円
* 扶養なし、社会保険料控除や基礎控除などを考慮した課税所得:仮に700万円と仮定
【計算ステップ】
1. 所得税額(外国税額控除前)の算出
* 課税所得700万円に対する所得税額を計算します。日本の所得税率は累進課税で、ここでは「所得税率23%、控除額63.6万円」が適用されると仮定します。
* 所得税額:700万円 × 0.23 – 63.6万円 = 97.4万円
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住民税所得割額(外国税額控除前)の算出
- 課税所得700万円に対する住民税所得割額(税率10%)を計算します。
- 住民税所得割額:700万円 × 0.1 = 70万円
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外国税額控除額の算出と適用
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所得税からの外国税額控除上限額
- 海外所得比率:海外所得200万円 ÷ 総所得1,000万円 = 0.2 (20%)
- 所得税からの控除上限額:97.4万円 × 0.2 = 19.48万円
- 実際に所得税から控除される外国税額:海外納税額30万円のうち、19.48万円が所得税から控除されます。
- 所得税で控除しきれなかった外国税額:30万円 – 19.48万円 = 10.52万円
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住民税からの外国税額控除上限額
- 住民税からの控除上限額は、海外所得比率と住民税所得割額から計算されます。
- 住民税からの控除上限額:70万円 × 0.2 = 14万円
- 所得税で控除しきれなかった10.52万円は、住民税からの控除上限額14万円の範囲内であるため、住民税から10.52万円が控除されます。
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外国税額控除適用後の住民税所得割額の算出
- 控除前住民税所得割額70万円 – 住民税からの外国税額控除額10.52万円 = 59.48万円
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ふるさと納税控除上限額の算出
- 59.48万円 × 約0.2 + 2,000円 = 約120,960円
この試算例では、外国税額控除を適用することで、住民税所得割額が減少し、結果としてふるさと納税の控除上限額が変動することが分かります。
正確な計算には、ご自身の給与明細や源泉徴収票、海外での納税証明書、各種控除額などを詳細に把握する必要があります。
申告前に要確認!海外源泉所得がある場合の4つの注意点
海外源泉所得がある方がふるさと納税を行う場合、一般的なケースとは異なる特別な注意点があります。申告前に必ず確認し、適切な手続きを行いましょう。
注意点1:ワンストップ特例は利用不可、必ず確定申告が必要
海外源泉所得がある場合、所得の種類や金額に関わらず、ワンストップ特例制度は利用できません。 これは、外国税額控除の適用や、複雑な所得の合算が必要となるためです。ふるさと納税による税金控除を受けるためには、ご自身で確定申告を行う必要があります。
注意点2:確定申告で「外国税額控除に関する明細書」の添付が必須となる
確定申告書を提出する際、「外国税額控除に関する明細書」の添付が義務付けられています。この明細書には、海外源泉所得の金額、海外で納税した税額、外国税額控除額の計算根拠などを詳細に記載する必要があります。国税庁のウェブサイトから書式をダウンロードし、正確に記入しましょう。
注意点3:海外で納税したことを証明する書類は必ず保管する
外国税額控除を適用するためには、海外で所得税等を納税したことを証明する書類が必要です。具体的には、「納税証明書」「源泉徴収票」「確定申告書の写し」などが該当します。これらの書類は、税務署からの問い合わせがあった場合に提示を求められる可能性があるため、大切に保管しておきましょう。
注意点4:所得が発生した国との「租税条約」の内容によって取り扱いが異なる場合がある
日本は多くの国と「租税条約」を締結しています。この租税条約の内容によっては、特定の所得に対する課税権の所在や外国税額控除の適用方法が、国内法とは異なる取り扱いとなる場合があります。ご自身の所得が発生した国と日本の租税条約の内容を事前に確認するか、国際税務に詳しい税理士に相談することをおすすめします。
ケース別Q&A|海外所得とふるさと納税のよくある質問
Q. 海外赴任中で日本に住民票がない場合、ふるさと納税はできますか?
A. 日本に住民票がなく、その年の1月1日時点で日本国内に住所がない方は、原則として住民税の納税義務がありません。ふるさと納税は、実質的に住民税や所得税の控除を受ける制度であるため、住民税の納税義務がない場合はふるさと納税の対象外となります。 帰国し、住民税の納税義務が発生する翌年以降に検討することになります。
Q. どの時点の為替レートで円換算すればよいですか?
A. 原則として、所得を得た日(取引発生日)のTTM(電信送金仲値)を使用します。ただし、継続的に発生する給与所得などの場合、毎月または年間の平均レートを使用することも認められる場合があります。会計処理の方法によって異なりますので、所轄の税務署または税理士に確認するのが確実です。
Q. 確定申告書のどこに外国税額控除を記入しますか?
A. 確定申告書第一表の「税金の計算」欄にある「所得税及び復興特別所得税の額」の下部に、「外国税額控除」の記入欄があります。また、詳細な計算根拠を記載する「外国税額控除に関する明細書」も併せて提出します。電子申告ソフトを利用すれば、案内に従って入力することで、自動的に計算・反映される場合が多いです。
Q. NISA口座での海外株式の配当金も計算に含めますか?
A. NISA口座内で得た海外株式の配当金や譲渡益は、非課税所得です。日本の所得税や住民税が課税されないため、ふるさと納税の上限額計算の基礎となる「総所得金額等」には含まれず、上限額に影響を与えることはありません。
海外源泉所得がある方のふるさと納税上限額は、多くの方が考える以上に複雑な計算が必要です。特に外国税額控除の仕組みは、上限額を左右する重要な要素となります。
ご自身の正しい上限額を把握し、ふるさと納税を賢く活用するためには、本記事で解説した計算ステップと注意点をしっかりと押さえることが不可欠です。
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まとめ:正確な計算で、海外源泉所得者もふるさと納税を最大限活用しよう
本記事では、海外源泉所得がある場合のふるさと納税控除上限額について、その影響と計算方法を専門的かつ論理的に解説しました。
- 海外源泉所得は、総所得金額等を増やし、ふるさと納税の上限額を増やす要因となります。
- しかし、二重課税を避けるための「外国税額控除」は、所得税だけでなく住民税からも控除されるため、ふるさと納税の上限額の計算基礎となる住民税所得割額を減少させ、結果的に上限額を下げる両面の影響があります。
- 正確な上限額を把握するには、国内所得と海外所得の合算、住民税の計算、そして外国税額控除を考慮した3ステップでの計算が不可欠です。
- 海外源泉所得がある場合は、ワンストップ特例は利用できず、必ず確定申告が必要となります。必要書類の保管や租税条約の確認など、事前の準備が重要です。
計算が複雑で不安を感じる場合は、税理士などの専門家に相談することも有効な手段です。正しい知識と準備で、海外源泉所得がある方もふるさと納税を最大限に活用し、賢く税負担を軽減しましょう。
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