はじめに:その計算、間違っているかも?複雑な個人事業主のふるさと納税
「個人事業主で青色申告65万円控除を受けているし、小規模企業共済にも加入しているから、ふるさと納税でしっかり節税したい!」
そうお考えのあなたは、非常に高い節税意識をお持ちでしょう。しかし、そのふるさと納税の上限額計算、本当に正確ですか?
給与所得者に比べて、個人事業主、特に青色申告特別控除65万円と小規模企業共済の掛金控除を利用している方のふるさと納税上限額の計算は、控除の種類や金額が複雑に絡み合うため、非常に難解です。多くのふるさと納税シミュレーションサイトでは、これらの控除が正確に反映されず、誤った上限額が表示されてしまうケースが少なくありません。
誤った上限額で寄付をしてしまうと、せっかくの節税効果が薄れてしまったり、自己負担額が増えてしまったりする可能性があります。
ご安心ください。この記事を読めば、前年度の確定申告書B(控え)を使い、誰でもたった3つのステップでご自身の正確なふるさと納税上限額を算出できるようになります。専門的かつ論理的に、その計算方法と背景を徹底解説します。
結論:あなたの寄付上限額は確定申告書Bで3分でわかる
個人事業主(青色申告65万円控除+小規模企業共済加入者)のふるさと納税上限額は、確定申告書Bの特定の項目を確認すれば、誰でも簡単に計算できます。
複雑に思えるかもしれませんが、以下の3ステップで完了します。
- 【Step1】確定申告書Bの「課税される所得金額(㉖)」を見つける。
- 【Step2】課税所得から所得税率を確認し、住民税所得割額を計算する。
- 【Step3】上限額の計算式に当てはめるだけで、正確な金額が算出可能。

【実践】図解でわかる!ふるさと納税上限額の計算完全ガイド
それでは、実際に確定申告書Bを使ってふるさと納税の上限額を計算していきましょう。
準備物:
前年度の確定申告書Bの控えをご用意ください。
手順1:所得金額の合計(⑨)と所得から差し引かれる金額の合計(㉕)を確認する
確定申告書Bの左側、「所得金額」欄の「合計(⑨)」と、右側、「所得から差し引かれる金額」欄の「合計(㉕)」の数字を確認します。

手順2:課税される所得金額(㉖)を計算する
確定申告書Bの「課税される所得金額(㉖)」は、以下の計算式で求められます。
課税される所得金額(㉖) = 所得金額の合計(⑨) - 所得から差し引かれる金額の合計(㉕)
この「課税される所得金額」が、ふるさと納税の上限額を決定する上で最も重要な数字です。青色申告特別控除65万円や小規模企業共済の掛金控除(iDeCoも含む)は、この「所得から差し引かれる金額の合計(㉕)」にすでに含まれているため、改めて差し引く必要はありません。
手順3:住民税所得割額と所得税率を算出する
ふるさと納税の上限額計算には、住民税所得割額と所得税率が必要です。
-
住民税所得割額の計算:
住民税の所得割額は、一般的に「課税される所得金額」の10%とされています。
住民税所得割額 = 課税される所得金額(㉖) × 10% -
所得税率の確認:
所得税率は、課税される所得金額に応じて変動します。後述する「所得税の速算表」で、ご自身の課税される所得金額に該当する税率を確認してください。
手順4:最終計算式に代入して上限額を算出する
いよいよ最終計算です。以下の計算式に、手順2で算出した「課税される所得金額(㉖)」、手順3で算出した「住民税所得割額」と「所得税率」を代入してください。
(住民税所得割額 × 20%) / (90% – 所得税率 × 1.021) + 2,000円
この計算式で算出された金額が、あなたの正確なふるさと納税の寄付上限額です。
補足:
* 1.021 は、所得税の復興特別所得税率(2.1%)を考慮した係数です。
* 2,000円 は、ふるさと納税の自己負担額です。
所得税率と住民税の基本|なぜこの計算式になるのか?
ふるさと納税の控除は、主に「所得税からの還付(または控除)」と「住民税からの控除」の2つで構成されています。この仕組みを理解することで、なぜ上記の計算式になるのか、そして他の控除(iDeCoなど)が増えた場合にどのように影響するかを把握できます。
- 所得税からの還付・控除: 寄付金額のうち、2,000円を超える部分が所得控除の対象となり、所得税率に応じて所得税が軽減されます。
- 住民税からの控除: 住民税からの控除は、「基本控除」と「特例控除」の2種類があります。
- 基本控除: (寄付金額 – 2,000円) × 10%
- 特例控除: (寄付金額 – 2,000円) × (90% – 所得税率 × 1.021)
この特例控除には上限があり、住民税所得割額の20%が上限と定められています。ふるさと納税の上限額は、この「住民税所得割額の20%」を超えないように設定されているため、上記の計算式が必要になるのです。
個人事業主の場合、課税される所得金額に応じて所得税率が5%〜45%で変動します。この変動する所得税率を正確に把握することが、正しい上限額を算出するために不可欠です。
所得税の速算表(参考:国税庁)
| 課税される所得金額 | 所得税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 1,000円~1,949,000円 | 5% | 0円 |
| 1,950,000円~3,299,000円 | 10% | 97,500円 |
| 3,300,000円~6,949,000円 | 20% | 427,500円 |
| 6,950,000円~8,999,000円 | 23% | 636,000円 |
| 9,000,000円~17,999,000円 | 33% | 1,536,000円 |
| 18,000,000円~39,999,000円 | 40% | 2,796,000円 |
| 40,000,000円~ | 45% | 4,796,000円 |
| ※復興特別所得税は別途加算されます。 |
この速算表からご自身の課税所得に対応する所得税率を確認し、計算式に当てはめてください。計算式のロジックを理解することで、将来的に他の控除が増減した場合でも、応用して上限額を推測できるようになります。
年収別シミュレーション早見表【青色65万控除・小規模共済加入者向け】
ここでは、青色申告特別控除65万円と小規模企業共済に加入している個人事業主の方を対象に、事業所得(売上-経費)別のふるさと納税寄付上限額の目安を提示します。
【前提条件】
* 年齢:30歳台(40歳未満)
* 家族構成:独身
* 所得控除:基礎控除、青色申告特別控除65万円、社会保険料控除(年額約40万円)、小規模企業共済等掛金控除(月3万円=年額36万円)のみ
* 医療費控除や生命保険料控除などは考慮しない
| 事業所得(売上-経費) | 課税される所得金額(目安) | ふるさと納税寄付上限額(目安) |
|---|---|---|
| 300万円 | 約159万円 | 約14,000円 |
| 500万円 | 約359万円 | 約43,000円 |
| 800万円 | 約659万円 | 約99,000円 |
| 1,000万円 | 約859万円 | 約137,000円 |
【注意点】
* 上記の表は、あくまで一般的なケースを想定した目安です。
* 社会保険料控除額、生命保険料控除、iDeCoの掛金、医療費控除、扶養親族の有無など、個人の状況によって「所得から差し引かれる金額」は大きく異なります。
* 最終的な上限額は、必ずご自身の確定申告書Bを使って、上記の計算ガイドで算出してください。
よくある質問(Q&A)
Q1. iDeCoにも加入している場合はどうなりますか?
A. iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金も、小規模企業共済の掛金と同様に「小規模企業共済等掛金控除」として所得控除の対象となります。したがって、確定申告書Bの「所得から差し引かれる金額の合計(㉕)」に、iDeCoの掛金も合算されて計算されています。ご自身で改めて計算し直す必要はありません。
Q2. 今年開業したばかりで前年度の確定申告書がありません。
A. 今年開業したばかりで前年度の確定申告書がない場合は、今年の所得見込み額で計算することになります。ただし、事業所得は変動するリスクがあるため、上限額を超過しないよう、少なめに見積もって寄付をするのが安全です。年間の所得が確定する年末に近づいてから、再度見込み額を確認し、残りの寄付を行うのが賢明でしょう。
Q3. 計算を間違えて上限を超えて寄付してしまったら?
A. ふるさと納税の上限額を超えて寄付してしまった場合、超えた分の寄付は税額控除の対象となりません。つまり、2,000円の自己負担額を超えて、純粋な寄付として扱われることになります。多額の寄付をしてしまうと、返礼品を受け取れても、税制メリットは得られず損をしてしまうため、正確な上限額の把握が非常に重要です。
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まとめ:正確な計算で、個人事業主の節税メリットを最大化しよう
個人事業主(青色申告65万円控除+小規模企業共済加入者)のふるさと納税上限額は、一見複雑に思えますが、前年度の確定申告書Bを使えば、誰でも正確に計算することが可能です。
この記事で解説した3ステップの計算ガイドを参考に、ご自身の「課税される所得金額」を正しく把握し、そこから住民税所得割額と所得税率を導き出すことが、正確な上限額を算出する鍵となります。
インターネット上のシミュレーションサイトはあくまで目安とし、最終確認は必ずご自身の確定申告書に記載された数字で行うことが重要です。
ご自身の正確な上限額を把握し、計画的にふるさと納税を活用することで、個人事業主の節税メリットを最大限に享受し、賢く豊かな生活を送りましょう。
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